往年の「青空文庫」に異変?
2017-06-13


著作権が切れた文学作品などをインターネットで無料で公開して人気を集めている「青空文庫」は、作品を入力する多くのボランティアが長年支えているが、最近、ある異変が起きているらしい。
きっかけは、イケメンが多く登場するネットゲームだということ…?

青空文庫は、往年の名作を手軽に読むことができるようにと平成9年に富田倫生さんの呼びかけで設立され、著作権が切れたり、許諾が得られたりした作品について、ボランティアの人たちが文章の入力と校正を行い、インターネットで無料で公開している。宮沢賢治や芥川龍之介といった有名な作家から、数は少なくても熱狂的なファンがいる作家まで、掲載作品は1万4000点を超えています。呼びかけ人の富田さんが3年前に亡くなった後も、青空文庫は有志のボランティアが運営を続けている。

最近、作品のボランティア入力が増え始めた?

青空文庫ではこれまで比較的少なかった、例えば北原白秋に連なる作家たちの作品の入力や校正が増え始めた。原因は「文アル」の影響との事。「文アル」とは、インターネットのゲーム「文豪とアルケミスト」のこと。

「文アル」は、芥川龍之介や太宰治など多くの文豪が「転生」したという設定のイケメンのキャラクターを育てながら、文学書を守る戦いを繰り広げるゲームです。人気声優たちが参加した話題性もあって女性ユーザーなどに人気を集め、運営会社によると、去年11月以降、プレーした人の数は30万に上るということです。

ツイッターなどでは、「出てくる文豪の作品読んでないことがもったいないと思って、青空文庫で毎朝毎晩読むことにしました」とか、「純文学とか近代文学が苦手だったけど、ちょっとずつ踏破してるから文アルと青空文庫は偉大だ」など、ゲームに夢中になるあまり青空文庫の利用を始めたという人たちが現れ、中には、「青空文庫の入力ボランティアを始めた」という投稿もあった。

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